■出典: https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57006570Z10C20A3MY1000/
有機太陽電池 寿命15倍 理研、ウエアラブルの電源に
- 2020/3/22付
- 581文字
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理化学研究所の福田憲二郎専任研究員や染谷隆夫主任研究員らを中心とする国際共同研究チームは、安定して発電する時間を従来の15倍に伸ばした有機太陽電池を開発した。光のエネルギーを電力に変換する効率も約13%と高い。衣服などに貼り付けて生体情報を集めるウエアラブル端末の電源として応用できるとみている。
福田専任研究員らが試作した有機太陽電池の厚さは、基板の高分子フィルムなどを含めて3マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと極めて薄い。
有機太陽電池は柔軟で軽いという特色がある半面、ガスの遮蔽が難しいなどの課題があり、これまでは長期間安定して高いエネルギー変換効率を維持できなかった。研究グループは発電層に使う材料の新たな組み合わせを見つけだし、素子の構造も改良した。さらに作製した後にセ氏150度の熱を加えると、性能が長期間安定することを発見した。
空気中で3千時間保管しても、同効率は約5%の劣化で済むことがわかった。これまでは約200時間で約5%劣化していた。
これまで10.5%だったエネルギー変換効率も約13%に高めた。有機太陽電池の中でもトップクラスのエネルギー変換効率と、長期間安定する性能を併せもった有機太陽電池になった。
軽くて曲面などにも貼り付けられる有機太陽電池は、ウエアラブルセンサーや柔軟な材料で作るロボットなどの電源になると期待されている。
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