2019年9月18日水曜日

温暖化で海面上昇、最大1メートル超 国連報告案

■出典: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49957090Y9A910C1MM8000/?n_cid=SPTMG002

温暖化で海面上昇、最大1メートル超 国連報告案 

2019/9/18 23:02
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温暖化で北極の氷が解け、海面上昇が起きると考えられている=ロイター
温暖化で北極の氷が解け、海面上昇が起きると考えられている=ロイター
地球温暖化がもたらす影響について国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめる報告書の原案が判明した。温暖化ガスの排出削減が進まないと、北極の氷が解けるなどして今世紀末までに海面が最大1メートルを超えて上昇すると予測した。高潮や洪水によって世界の10億人が危機にさらされ、2億8000万人以上が家を失う。
影響は世界の科学者が最新の研究にもとづいて分析し、報告書にまとめる。原案は各国政府にインフラ整備や防災対策の強化を迫る内容で、温暖化のリスクが改めて浮き彫りになった。IPCCは20日からモナコで総会を開き、25日に報告書の詳細を公表する。
IPCCではこれまでも温暖化によって80センチメートル程度の海面上昇があると分析していた。北極の氷床や陸地の氷が解ける速度が速まる兆候があり、原案では上昇幅を大きく見積もり、影響が深刻になるとの見解を示した。
水没を恐れる島しょ国の脅威となるほか、沿岸部の大都市にも甚大な被害をもたらす。台風やハリケーンなどで陸地に海水が押し寄せ、広い範囲が浸水する危険が高まるためだ。
温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の成否などへの言及はないものの、有効な対策を取らなければ被害が拡大すると警鐘を鳴らした。
このほか、山岳地帯の氷河も今世紀末までに少なくとも5分の1が消える。欧州の一部地域では氷河の8割が失われるという。IPCCの分析では、世界の平均気温は産業革命前からすでに約1度上がっている。

2019年8月19日月曜日

ソフトバンクが出資したENERGY VAULT社の技術とは

■出典: https://www.s-ge.com/ja/article/niyusu/20193-renewable-energy-energy-vault-received-investment

ソフトバンクが出資したENERGY VAULT社の技術とは

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが総額1億1千万米ドルを出資したEnergy Vault社は、革新的な貯蔵発電所の開発を行っています。
貯蔵発電所イメージ
© Business Wire/Energy Vault
今回の出資を受けることにより、Energy Vault社は、再生可能エネルギー貯蔵を実現する同社の革新的な技術をグローバルに提供することが可能になります。ソフト・バンク・ビジョン・ファンドにとってはエネルギー貯蔵技術分野への初めての投資です。
この分野におけるパイオニアともいえるEnergy Vault社は、地形や特殊な地質的基盤に依存しない、世界で唯一のコスト効率に優れたエネルギー貯蔵システムの開発に成功しました。同社のハブ貯蔵発電所は、手頃な価格の複合ブロックで作られた巨大なタワーで構成されており、レンガブロックの重量はそれぞれが35トンにもなります。タワーの中央に設置された革新的なクレーン設計が、これらのブロックを上下に移動させ、下向きの運動が、蓄積されたエネルギーを損失なく電気エネルギーに再変換することを可能にします。このエネルギー効率こそが、水力発電システムとの大きな違いです。
エネルギー貯蔵タワー内の充放電プロセスの自律的制御には専門的なソフトウェアが使用されています。ソフトウェア独自のアルゴリズムで、エネルギー需給の不安定性、グリッドの安定性、気象の影響など、さまざまな変動要因を調整して管理します。
Energy Vault社は、2018年にインド最大の総合電力会社Tata Power Company Limited(本社:インド・マハラシュトラ州ムンバイ)の協力を受けて設立されました。同社は本年中にイタリア北部で35MWhの貯蔵タワーのプロトタイプを稼働させる予定です。さらに、大手建材メーカーCEMEX S.A.B. de C.V.(本社:メキシコ・サン・ペドロ・ガルサ・ガルシア)やCEMEX Research Group AG(本拠地:スイス・ビール / ビエンヌ)との緊密な連携を維持しています。
SoftBank Investment Advisers LimitedのAkshay Naheta氏は、「Energy Vault社は、長年の大規模な再生可能エネルギー貯蔵に関する複雑な問題を解決するでしょう。また、同社の技術が、環境を回復させながら再生可能エネルギーの経済単位を再形成するでしょう」と、コメントしています。
Energy Vault社CEO兼共同設立者のRobert Piconi氏は、同社プレスリリースで、「化石燃料に代わって24時間利用可能な再生可能エネルギーを開発するという使命を追求する中で、ソフトバンク・ビジョン・ファンド社と提携し、我々のグローバルなプレゼンスを拡大できることを嬉しく思います。ソフトバンク・ビジョン・ファンド社は、エネルギー貯蔵技術のイノベーションを通じて気候変動に立ち向かう我々の情熱を共有しています。これにより、Energy Vault社は、現状で満たされていない、世界中の持続可能かつ経済的な大規模エネルギー貯蔵に対する需要を満たす準備を進めています」と、今回の投資の重要性を強調しています。



2019年8月14日水曜日

エナジー・ボールトがソフトバンク・ビジョン・ファンドから1億1000万ドルのシリーズB資金調達を完了

出典: https://www.businesswire.com/news/home/20190814005011/ja/

エナジー・ボールトがソフトバンク・ビジョン・ファンドから1億1000万ドルのシリーズB資金調達を完了

新たな調達資金により、変革力のある当社の発電所規模のエネルギー貯蔵技術を発展させ、迅速な世界的導入を促進

Energy Vault storage tower with PV and wind storage. (Photo: Business Wire)Energy Vault storage tower co-located with wind farm. (Photo: Business Wire)


August 14, 2019 07:01 PM Eastern Daylight Time
スイス・ルガーノ--()--(ビジネスワイヤ) -- 発電所規模の長期エネルギー貯蔵の世界的アプローチに変革をもたらす再生可能エネルギー貯蔵製品を生み出す企業のエナジー・ボールトは本日、1億1000万ドルのシリーズB資金調達を完了したと発表しました。本ラウンドの投資はソフトバンク・ビジョン・ファンド(ビジョン・ファンド)がエネルギー貯蔵技術の分野で初めて行ったものです。エナジー・ボールトは調達資金を当社技術の世界的導入を促進するために使用します。当社の技術によって初めて、エナジー・ボールトのシステムによって初めて、再生可能エネルギー源を1日24時間にわたり化石燃料よりも低コストでベースロード電源とすることができます。ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのパートナーであるアンドレアス・ハンソンがエナジー・ボールトの取締役会に参加します。
再生可能エネルギーは歴史的に、風力および太陽光などの変動要因に左右される生産予測不可能性と間欠性ゆえに、化石燃料発電に完全に取って代わるべく奮闘してきました。より効率的でコスト効率に優れた貯蔵方法がないことで、今では再生可能エネルギー源が広く求めやすいものになっているにもかかわらず、再生可能エネルギー源から送電網に送電できる電力が制限されています。
エナジー・ボールトの画期的技術は、水の重力と運動によって電力を貯蔵・放電する力に依拠する揚水式水力発電所から着想を得ました。当社のソリューションは、これらの発電所で利用され、良く理解されているのと同じ物理原理と機械工学を基盤としています。エナジー・ボールトのシステムは水に取って代わって、低コスト材料と材料科学の革新的な使用により、カスタムメイドのコンクリートブロックを利用します。各ブロックは重量が35メートルトンで、エナジー・ボールトの専有的なシステムデザインおよびマシンビジョンソフトウエアと併用して、新規デザインのクレーンを稼働させます。このソフトウエアは予測的インテリジェンスと独自スタックの専有的アルゴリズムを活用して、自律的にエネルギー貯蔵塔と充電・放電の調整を行います。これらのアルゴリズムは、エネルギー需給の変動性、送電網の安定性、気象要素、その他の変動要因を含め、種々の要因を把握するものです。結果として、エナジー・ボールトの貯蔵塔は特定の地形上の立地条件を必要とせず、環境への悪影響を伴わずに、かなり低い均等化発電原価、高往復効率で、大規模揚水システムの利点すべてを実現できます。
エナジー・ボールトは2018年11月の設立以来、大きな成長を達成してきました。インド最大の総合電力会社のタタ・パワー・カンパニー・リミテッドとの先に発表した契約に加え、2019年にイタリア北部で35MWhの貯蔵塔を初めて実証していきます。また当社はセメックス(NYSE: CX)との関係を拡大・発展させてきており、セメックス・リサーチ・グループ(スイス)との技術連携・開発契約を結び、2019年5月にはセメックス・ベンチャーズからの投資を発表しました。それ以外にも未曾有の市場需要と当社技術の今後の採用を示すものとして、エナジー・ボールトは4大陸におけるお客さまとの契約があります。
ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのマネジングパートナーであるAkshay Naheta氏は、次のように述べています。「エナジー・ボールトは再生可能エネルギーを大規模に貯蔵するための方法という長年の複雑な問題を解決します。同社は実証済みの技術を21世紀の材料科学およびマシンビジョンソフトウエアと統合することで、環境回復力をもたらしながら再生可能エネルギーのユニットエコノミクスのあり方を変革するソリューションを提供します。エナジー・ボールトはソフトバンクの既存のエネルギーポートフォリオを大きく補完するものであり、私たちは同社の世界的発展を推進できることをうれしく思います。」
エナジー・ボールトの最高経営責任者(CEO)で共同設立者のロバート・ピコニは、次のように述べています。「再生可能エネルギーを1日24時間にわたり化石燃料に取って代わることができるようにするという当社の使命を追求する中で、ソフトバンク・ビジョン・ファンドと提携して世界的展開を拡大できることに感激しています。ビジョン・ファンドは当社と同様にエネルギー貯蔵技術における革新を通じて気候変動に対処するという情熱を持っており、戦略的パートナーとしての同社の支援により、エナジー・ボールトは持続可能で経済的なエネルギー貯蔵という、今日の世界で未充足の大きな需要を満たす上で好都合の立場にあります。」
エナジー・ボールトについて
エナジー・ボールトは発電所規模の長期エネルギー貯蔵の世界的アプローチに変革をもたらす再生可能エネルギー貯蔵製品を生み出しています。重力および位置エネルギーという平凡な物理原理を適用する本システムは、特別設計した巨大コンクリートブロックを持ち上げる革新的なクレーンデザインと、電力の貯蔵および放電を調整するクラウドベースの専有的ソフトウエアプラットフォームを併用します。エナジー・ボールトは、これまでにない経済性の100パーセント環境に配慮した材料を活用することで、完全に再生可能な世界への移行を促進しています。
エナジー・ボールトは2019年4月、ファスト・カンパニーの「世界を変えるアイデア賞」のエネルギー部門で受賞しました。当社はビル・グロス氏が設立した有力技術インキュベーター企業のアイデアラボ・スタジオが創設しました。
エナジー・ボールトに関する詳細情報についてはenergyvault.comや@EnergyVaultIncをご覧ください。
本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


2018年11月8日木曜日

再現可能エネルギー普及の鍵は貯蔵コスト。Energy Vaultが答を知っている

■出典: https://jp.techcrunch.com/2018/11/08/2018-11-07-the-cost-of-energy-storage-has-stalled-adoption-of-renewable-power-energy-vault-has-a-solution/

再現可能エネルギー普及の鍵は貯蔵コスト。Energy Vaultが答を知っている

ソーラーエネルギーや風力エネルギーが化石燃料エネルギーより安く作れるようになった今、再生可能エネルギーの普及にとって唯一残る問題は、作られたエネルギーの貯蔵に必要なコストだ。
現在再生可能エネルギー100メガワット(約60万世帯を賄うのに十分)を貯蔵するためには、Teslaが作っているようなバッテリーを約6560万ドル分大量に揃えるか、ダムを作り落下する水でタービンを回す巨大揚水発電所(通常100メガワット以上の能力を持つ)に頼るしかない。
Bill GrossのIdealabというカリフォルニア州パサディナのインキュベーター出身のEnergy Vaultは、揚水発電の原理に基づく新しいテクノロジーを開発した。同社によると、そのテクノロジーはエネルギー貯蔵コストを今の1桁以下に抑えることが可能で、再生可能エネルギーのコスト効果を一日中毎日高くすることができる。
気候変動の懸念が増すにつれ、再生可能エネルギーの魅力とコスト効果を高める方法を見つけることは、優れたビジネスチャンスであるだけではない——全地球の優先課題だ。
Engergy Vaultのテクノロジーは、33階建ての高さで6本のアームを持つクレーンからなり、ブームを延ばすとフットボール場の長さに近くになる(約87ヤード)。そのクレーンは5000個の巨大なコンクリートブロックが囲まれていて、重量は全体で約35トンになる。
「通常これを風力あるいはソーラー発電所の近くに作る」とEnergy VaultのCEO Robert Piconiは言う。「これは都市の真ん中に置くものではない」。
クレーンは、ソーラーや風力で発電されたエネルギーを蓄積、あるいは電力網に放つためにセメントブロックを動かすソフトウェア・システムによって制御される。
Piconiによると、同社のシステムはエネルギー容量公称35メガワット、ピーク容量4メガワットの能力を持つ。立ち上がり時間は最短1ミリ秒で、2.9秒で100%のパワーを得ることができる。
システムの充放電効率は約90%で、この技術は耐用年限約30年の極めて耐久性の高い材質による力学的エネルギーに依存しているためエネルギー損失はない。
このすべてを実現するシステムの価格は7~800万ドル程度だとPiconiは言う。システムの永続性をさらに高めるのが、埋め立てに使うしかないリサイクルコンクリートを使っていることだ
——新たなセメント工事は不要だ。
すでにEnergy Vaultは、デモシステムをスイスのルガーノ本社近くのビアシカに建設済みだ。このデモンストレーション施設は、同社初の顧客であるインド最大の総合電力会社The Tata Power Company Limitedが、2019年までに35 MWh のEnergy Vaultシステムを構築する契約に一役買ったはずだ。
「エネルギー貯蔵法のイノベーションは、再生可能エネルギーを加速し、世界の増え続けるエネルギー需要を満たす化石燃料に代わる主要供給源とする最大最速の方法だ」とEnergy Vaultの共同ファインダーでIdealabのファウンダーBill Grossが言った。「Energy Vaultがこの画期的テクノロジーを市場に送り出すために役立てることを大いに喜んでいる」
事実、Piconiによると、今後2年間に同社顧客がこのシステムを使って作る設備の総貯蔵容量は500メガワットから1ギガワットに上るとEvergy Vaultは予想している。
「われわれにはこうした設備を作る顧客が各大陸にいる」と彼は言った。
Danaherの幹部だったPiconiは、12年前にIdealabのファウンダーだったGrossが再生可能エネルギー技術を手がけ始めた頃に出会った。ふたりは連絡を取り合い、10年近く協力しあった後、Energy Vaultの設立を真剣に考えるようになった。
そして2017年、PiconiとGross、そして共同ファウンダー、最高技術責任者のAndrea Pedrettの三人はEnergy Vault斬新なエネルギー貯蔵の方法を思いついた。i
「数年前、エネルギー貯蔵が重要になることを彼ははっきりと知っていた」とPiconiは言った。
三人は揚水発電の効率に注目し、力学的エネルギーを使ってそのプロセスを真似る方法についてブレインストーミングを始めた。「まず鉄塔を考えたが高価すぎた。塔の上に水を汲み上げることを考えたが、効率に問題があった」とPiconiは言った。「そして、コンクリートブロックとクレーンを思いついた」
コンクリートは材料コストの点で重要であり、セメント製造に関わるエネルギー消費と公害を考え、チームはリサイクルセメントを使い、彼らのエネルギー貯蔵システムに使うブロックを作ることにした。
そして、世界最大手のセメント製造会社Cemexが、Energy Vaultにパートナーとして加わった。
Energy Vaultはすでにいくつかの「シード」ラウンドで資金を調達し、テクノロジー開発やスイスのプロトタイプの建設・運用に充てている。
「Energy Vaultのチームは画期的なプラットフォームを開発した。われわはこのチームを支援し、環境効率とコスト効率の高い実用性の高いエネルギー貯蔵ソリューションを提供することを大いに楽しみにしている」とCemexのグローバル R&D・知財権の責任者r. David Zampiniが言った。「われわれは資源が責任をもって使われる未来を可能にするという共通認識を持っている。それはCemexの維持可能開発戦略の核心でもある」



2018年6月8日金曜日

テスラの大規模蓄電池の成功がもたらした驚くべき結果

■出典: https://blog.evsmart.net/ev-news/tesla-energy-hornsdale-power-reserve/

テスラの大規模蓄電池の成功がもたらした驚くべき結果

テスラがオーストラリアの南オーストラリア州に設置した大規模蓄電池は、現地の電気供給サービスのシェア55%を占めただけでなく、電気料金を90%も引き下げてしまいました。Australian Energy Weekでの発表をもとに、何が起こったかを紹介します。
テスラの大規模蓄電池の成功がもたらした驚くべき結果
クリーン・エネルギーとその関連技術、それらについてのさまざまな分析を行っているサイト”RenewEconomy.com.au”に5月11日に掲載されたSophie Vorrath、Giles Parkinson両氏の記事によると、オーストラリア初の実用規模の大規模蓄電池は、実際に稼働したところ、現地の経済に「衝撃」と言えるほどの大きな影響をもたらした、とのことです。これは、2018年5月8日から11日までオーストラリアのメルボルンで開かれた“Australian Energy Week(AEW)”のさなか、5月10日(木)にMcKinsey氏と事業協同者のGodart van Gendt氏が発表したデータによって明らかにされました。
AEWのなか、オーストラリアにおける再生可能エネルギーへの移行を支援する技術や戦略を話し合うパネルに現れたvan Gendt氏は以下のように述べました。「今回のデータから、大規模蓄電池はグリッド(電力供給網)の中で重要な役割を果たし得ると言えます。今回の大規模蓄電池の成功に関しては、『この種の施設では世界最大規模』という事実や、『驚くべき早さで建設され短期間で完成させてしまった』といった点にどうも関心が集まってしまっていますが、じつは『経済の面』でも関心を持っていただける事実がいくつもあるのです。市場データからいくつか成果をご紹介いたします。the Hornsdale Power Reserve(HPR:テスラによる大規模蓄電池の正式名称、Neoen社が所有し稼働させている)が運転を開始してからの4ヶ月で、地域の電力供給サービス(FCAS)の料金は90%も下がりました。いいですか、90パーセントですよ。そして、この100MWの蓄電池は、南オーストラリア州(SA州)の電力関連収益の55%以上を占めてしまいました。SA州の総電力量のわずか2%に過ぎない容量の蓄電池が、収益の55%を叩き出してしまったのです。最初の蓄電池だけでこれだけのシェアと収益を出してしまったので、次にお作りになる(2番目の)蓄電池は、成功するのはかなり大変も知れません。まずは幸運をお祈りしておきます。」このvan Gendt氏のプレゼンの中ですでに使われている語句についてですが、オーストラリアの電気供給サービスはその付帯サービスを含めて”Frequency Control Ancillary Service(略称FCAS)”と呼ばれています。
テスラが豪州南オーストラリア州に設置した大規模蓄電池の機器
テスラが豪州南オーストラリア州に設置した大規模蓄電池の機器
蓄電池施設としては大規模ですが、地域のグリッドから考えればその容量はごく小さいため、当初はその効果を疑問視する声が(揶揄する声すら)少なくありませんでした。しかし蓋を開けてみると、この施設は電力市場に衝撃を与えるに充分なものだと分かりました。これは、9千万オーストラリア・ドル(1ドル(AUD)=83円ほどなので、日本円に換算するとおよそ74億2千万円)を投資した南オーストラリア政府にとっては朗報でした。と言うのも、ここ数ヶ月間で電力料金(FCAS価格)が安くなったのはSA州だけでしたから。このように、ガス・カルテルが膨らませた電力価格の「上昇バブル」をテスラの大規模蓄電池が見事に潰してみせた事実が明らかにしてしまったのは、グリッドの総容量に対してごく小さな容量の蓄電池でさえ、すぐに応用可能な新技術と組み合わされれば、電力市場の諸問題を解決して市場力学を大きく変えてしまう能力・可能性を持っている、という現実でした。
HPRの2018年1~3月の平均的日常充放電を示したグラフ。上側は放電(グリッドへ売電)で、下側は充電(グリッドから買電)をそれぞれ示す。赤い線は電力価格を示し、上に行くほど高値。
HPRの2018年1~3月の平均的日常充放電を示したグラフ。上側は放電(グリッドへ売電)で、下側は充電(グリッドから買電)をそれぞれ示す。赤い線は電力価格を示し、上に行くほど高値。
このチャートは、同じサイト”RenewEconomy.com.au”に5月23日に掲載された別の記事の中のものですが、これはHPR(Hornsdale Power Reserve、=テスラの大規模蓄電池)の「Q1(1月から3月までの期間で夏に相当)」の平均的な1日のデータを示しています。チャート左下のLoadと書いてある塊はHPRが充電(電力を購入)した量、右上のGenerationの塊が放電(電力を売却)した量を示しています。上の「赤い線」はMWh当たりの電力単価を表していて、午後遅い時間のピークでは400AUD/MWh(33.2円/kWh)にも達しています。つまり、普段の4倍近い高値になっている時間帯に、安い時間帯に買って(現時点では併設の風力発電機からの再生可能エネルギーを利用)貯めておいた電気を効率よく売った、ということになります。2016年の暴風雨による大規模停電で大きな混乱をきたしたSA州がHPRの風力発電所に隣接して大規模蓄電池を設置した当初の目的は、再生可能エネルギーによる発電を増やす中で「グリッドを安定させる」ことでした。連邦政府などからはSA州の再生可能エネルギー導入が大規模停電の大きな要因だった、と批判する動きも少なくありませんでした。(石炭などを大量に算出する豪州ならではのしがらみもあるのでしょう。)ところが蓋を開けてみたら、大規模蓄電池は「かなり儲かってしまった」のでした。
じつは、テスラの今回の大規模蓄電池は、これ以上のことをしてしまったようです。それは、電力市場のマーケット・オペレーターと投資家がグリッドをどう考えるかを劇的に変化させ、彼らの資産価値が正当に評価されるように法整備が行われるような方向に、電力とその関連経済を向けてしまったようです。
ガスと電気の供給を統括する「オーストラリア・エネルギー市場オペレーター(AEMO)」は、大規模蓄電池の能力を高く評価しています。これまでのどのタイプの発電施設よりも、はるかに「迅速」に、かつ「正確」に電力を供給できるからです。現在はグリッドが大規模停電に陥るのを回避するための「第一防衛線」として大規模蓄電池は用いられているに過ぎませんが、この迅速な給電能力をきちんと評価する「新たな法(新しいルール)」の整備も必要であるとAEMOは考えています。
van Gendt氏の指摘の通り、新しいルールと、給電の迅速さと正確さ重きを置く市場は、今後数ヶ月から数年の間にグリッドに接続される予定のいくつもの電力関連施設にとっては、無視できないものとなることでしょう。直近では、SA州のWattle Point風力発電所(2018年6月中に接続予定)とLincoln Gap風力発電所、それにヴィクトリア州で進められている3つの別のプロジェクトがそうした対象になるでしょう。
テスラの電気エネルギー部門の地域担当マネージャーLara Olsen氏は、AEWの中でさらに以下のように述べています。テスラの大規模蓄電池がSA州のグリッドに貢献した事実はさらに、電力関連市場における従来の「入札」慣習に対する衝撃としてとらえることもできる、というのです。
これは主に火力発電所を意識した発言でしょう。火力では「燃料コスト(fuel cost)」と「運転と維持管理のコスト(O&Mコスト: operation and maintenance cost)」が市場の入札を決定づけます。ところが再生可能エネルギーではそもそも燃料コストがありませんし、O&Mコストも非常に安く済みます。また、蓄電池の劣化はゆっくりと時間をかけて進みます。そうなると、入札に関しては、「チャンスがあるかどうか(opportunity cost)」だけの問題となることでしょう。「今から5分の間に10MWを入札すると(10MWをグリッドに売ると)、高値が得られるかな?」や、「今は『待ち』で、1時間後に入札するとより高値が得られるかな?」と言った具合です。
グリッドに「電気を売る(放電する:discharge)」だけでなく、グリッドから「電気を買う(充電する:charge)」ことに関しても、同様のことが言えます。「今は(大規模蓄電池に)充電するのは待っておいて、たとえ再生可能エネルギーによる電気を買えない時間帯だとしても、より電気が安くなるのを待つべきだろうか?」といったことが起こることでしょう。
大規模蓄電池が電気をグリッドに供給することは「放電(discharge)」だけでなく「発電(generate)」ととらえることができます。逆に、グリッドから電気を受けることは「充電(charge)」だけでなく「貯める(load)」行為とも考えられます。こうした観点から、大規模蓄電池は「発電施設」と「蓄電施設」という2つのとらえ方で把握する、つまり別の施設として登録するようなことも必要になってくるかも知れません。
こうした「多用途性(versatility)」が、放充電の迅速性と相俟って、従来の発電所よりはるかに多くの入札を可能にすることでしょう。テスラの指摘するように、従来の発電所運営会社が燃料価格の市場動向を見ながら安いときに燃料を買いつけるような「悠長な動き」に比べて、ソフトウェアで自動的に0.2秒(200ミリセコンド)という短時間で最も有利な瞬間に「売り・買い」ができる大規模蓄電池は、資産を有効活用するという観点からも、発電を取り巻く環境・視点を根底から変えてしまったようです。
(文・箱守知己)

2017年4月6日木曜日

孫社長も実践 ソフトバンク式プレゼン術、7つの鉄則

■出典: https://style.nikkei.com/article/DGXMZO14837220T00C17A4000000/

孫社長も実践 ソフトバンク式プレゼン術、7つの鉄則


プレゼン資料のポイントは2つ。「構成」と「表現」だ。まずは、構成でどうストーリーを組み立てていくか。ここで陥りがちな“わな”がある。

「相手を動かす」を徹底的に考える、プレゼンに応じて結論位置を移動

プレゼンは、自社の商品をアピールする場でもなければ、自分のアイデアを披露する場でもない。真の目的は、「相手を動かす」ことにある。相手の会社に自社の商品を導入してほしい、上司にプロジェクトを承認してほしいといった、誰に何をどうしてほしいのかを明確にしなければ、プレゼン自体の意味がない。
目的がしっかり定まれば、次は「内容」。最も伝えたいメッセージである結論、その結論を納得させるための根拠、そして相手が行動することで得られる利益。これらを具体化していく作業になる。構成の最後は「順序」。結論を冒頭に伝えるか、各論から入って結論をラストにすべきか。企画提案や報告のプレゼンなら「結論先行型」、セミナーや講演なら結論を後回しにする「問題提起型」が有効になる。
確固とした構成が決まれば、実は「表現」は難しくない。まずは下のEBITDAのスライドを見てほしい。極めてシンプルなこの1枚に、ソフトバンク流が凝縮されている。
ソフトバンクが確立した“鉄板”のスライド作成メソッドは以下の7つ。限りなくシンプルであるにもかかわらず、見せたいところと言いたいことが一発で相手に伝わる。フォーマットに沿って進めれば、迷うことなく最短距離で最高のプレゼン資料が作成できる。
(1)グラフはできるだけ省く
直感的に相手に理解させればいいので、余計なケイ線や単位は不要。ここでは主に「2兆円」がわかればよく、縦の目盛りまで省いてしまってOK。
(2)ベースはグレー、色は最小限に
カラーは意外にインパクトがない。色は少ないほどよく、グレーがベースカラーに最適だ。
(3)1スライド1メッセージに
1枚のスライドにあれこれ入れず、言いたいことは1つにとどめる。また、横組みの場合、目線は一般的に左から右に動くため伝えたいメッセージは右に置くのが鉄則。
(4)メッセージは「少し上」
キーとなるメッセージはセンターではなく少し上に置くのがポイント。講演などで後ろの席からでも見やすくなる。
(5)使うべき書体はこの3つに決まり!
あれこれ書体は選ばずに、基本は1種類でOK。「Meiryo UI」はベースが細めなので、太字細字を使い分けると強調しやすい。
(6)文字の大きさは20ポイント以上
投影用資料は20以上にするのがソフトバンク流。メッセージの文字数を最少限にして、そのぶん文字サイズはとにかく大きく。
(7)ポジティブは青、ネガティブは赤
色の役割分担を明確に設けておくと、シンプルかつわかりやすくなる。信号と同様に、青系と赤系を対極の意味で使うのがベスト。
グラフの縦軸がない、色は青とグレーしかない、メッセージが「2年で倍増へ」のたった6文字しかない。同社のプレゼン資料は、無駄なものを徹底的にそぎ落とした「引き算」で成り立っている。にもかかわらず、伝えたいことは数秒あれば理解できる。書体や文字の大きさ、配置といった、上で示した7つの「型」さえ覚えてしまえば、誰でもソフトバンク流を実践できるのだ。

スライドの「型」を身に付ける

ソフトバンク流のスライドには「型」があり、それに沿って作れば最短距離で完成できる。下の2種類のほか、優劣のないものを横に並べる「並列」、並べて矢印でつなげる「変化」の4パターンだ。
「対比」のパターン。2つの要素を比較するとき、項目欄を中央に置くと、より対比が引き立つ
「流れ」のパターン。スケジュールなどを示す際に重宝する
長々としたタイトルはプレゼンの大敵。Yahoo!ニュースのヘッドラインと同じ「13文字以内」がソフトバンク流だ。スライド枚数も重要で、多過ぎると散漫になり、少ないと飽きられてしまう。「5分のプレゼンなら5~9枚程度がよい」(海上氏)
孫社長へのプレゼンは、「パッと見て10秒以内に意図がわからないものははじき出されてしまう」(海上氏)。多忙なトップが瞬時に理解し、即決できる資料。極めてシンプルなソフトバンク流のプレゼン資料はこうして生み出された。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年4月号の記事を再構成]


2016年11月23日水曜日

Tesla/SolarCityはサモアのタウ島の電力をまるごと太陽光で発電する

https://jp.techcrunch.com/2016/11/23/20161122tesla-and-solarcity-made-this-whole-island-solar-powered-in-under-a-year/

Tesla/SolarCityはサモアのタウ島の電力をまるごと太陽光で発電する


100万人以上の若者が利用するグループビデオチャットアプリHouseparty



TeslaとSolarCityの合併が正式に承認されてから数日しかたっていないが、両社は力を合わせれば何ができるかをすでに見せつけている。 SolarCityのブログはSolarCityの太陽光発電システムとTeslaのPowerpackテクノロジーをベースにしたバッテリー・システムを組み合わせてアメリカ領サモアの離島、 Ta’u島のエネルギー問題を根本的に解決するプランを詳しく公表した。
このマイクログリッド電力網が完成すれば島はディーゼル発電を止め、化石燃料への依存から解放されるはずだ。
ディーゼル発電への依存はこうした場所では珍しくない。多くの離島や遠隔地のコミュニティーが電力網を化石燃料に頼っている。しかしディーゼル発電では非常に遠方から燃料を船で運ぶ必要があり、これには多額のコストがかかる。また頻繁に停電に見舞われることにもなる。ソーラー発電が建設費用を回収するには通例かなりの長期間が必要だ。しかし離島のように燃料を遠方から運び込まねばならない場合、ソーラー発電はコスト的にも有利になる。
Ta’uの電力網のリニューアル計画では、SolarCityが製作する太陽光発電パネル5300枚のアレイが 1.4メガワットを発電する。商用大型バッテリーであるTesla Powerpackが60基接続され、6メガワット/時の電力が蓄積される。これは600人が住むTa’u島の3日分の電力に当たる。十分な日光があればPowerpackをフル充電するのに7時間しかかからない。

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TeslaとSolarCityによるTa’u島へのマイクロ電力網の建設はスタートから完成まで1年以内ですむという。このプロジェクトはアメリカの環境保護庁、内務省、アメリカ領サモア経済開発庁が資金を援助する。Teslaではこれが似たような環境のコミュニティーに対する解決策の実例となることを強く期待している。同時に将来ソーラー・バッテリーがTesla最大の事業分野になるとファウンダーのイーロン・マスクが確信している理由が実証されるはずだと考えている。クリーンで信頼性が高く、既存の電力網から独立した電力供給には無数の用途が考えられる。電気自動車よりも大きな市場になるとしても不思議はないだろう。