出典: https://r.nikkei.com/article/DGKKZO65638290Z21C20A0EE9000?s=0
「温暖化ガス吸収」に投資
アップルやアマゾン、排出ゼロ実現に一役
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のニューズレター「モラル・マネー」10月28日号では、大気中の「温暖化ガスの吸収」を目的とした技術や森林保全に投資マネーが集まり始めている状況について論じた。主な内容は以下の通り。
この1年以内で温暖化ガス排出の「ネット(実質)ゼロ」を宣言した企業の数は3倍に増えた。米アップルや米ゼネラル・エレクトリック(GE)がその代表例だ。
多くの企業がネットゼロを実現する手法を模索するなかで、温暖化ガスを大気中から吸収する技術や手法への需要が急速に高まっている。
国際団体「責任投資原則(PRI)」の調査によると、企業が温暖化ガスを吸収する先として森林に投資する額は、2050年までに年間で8000億ドル(約83兆円)に達する見通しだという。
温暖化ガスを採取したり、保存したり、または資源として活用したりする市場は50年までに6250億ドルに上る。PRIは今後政策対応が必要となる分野を洗い出し、対応を促す作業の一環として調査を行った。
個別企業の動きは活発だ。アップルはコロンビアにあるマングローブ林1万1千ヘクタールの保全のために資金を拠出している。米アマゾン・ドット・コムは今年、自然保護を通じた温暖化ガス削減に特化した支援の仕組み「ライト・ナウ・クライメート・ファンド」を立ち上げた。総額で1億ドルを投資する壮大な試みだ。
化石燃料企業も取り組み始めている。英石油大手BPはザンビアで4万ヘクタールの森林保全に資金援助している。仏トタルは森林保全のために年間1億ドルを投資する方針を明らかにしている。
コンサルタント企業ビビッド・エコノミクスのジェーソン・エイス氏は金融機関が環境に配慮した事業に使途を限ったグリーンボンド(環境債)などの手法を通じ、企業の環境保全の動きを側面支援していると説明する。「温暖化ガスを吸収しようという取り組みに多額の投資が流れ込み、飛躍への転換期を迎えている可能性がある」と期待感を示す。
詳細な英文記事およびニューズレターの申し込みはft.com/moral-money
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